私は昨年夏頃から遠くがボヤケて見える現象が起きていた。眼科で見てもらうと「白内障」との診断。しかしまだ、手術をしなくてもいいだろうと・・・。しかし、今年に入って春ごろからボヤケが遠・中・近距離において起きてきた。道路標識が見えない。運転しにくい。テレビが見難い。再び眼科で検査。手術の手続きへ・・・。
 この病院での手術は、水晶体の内部を超音波で砕き吸引してとりだす。残った水晶体の袋に眼内レンズを入れる方法だ。眼内レンズは単焦点と多焦点レンズがある。後者は保険が効かないので高価。私は前者の内で、遠くへ焦点を合わせたレンズを入れることにした。
 手術日は6/20(月)(右眼)・6/27(左眼)になった。
 6/3(金)手術する人と家族の人1名を集めて説明会があった。 この時、日帰り手術か入院手術の選択をしなければならない。私は、日帰り手術は、通院・家庭での制約があるため、入院手術にすることにした。
 手術3日前より指示された点眼を続ける。手術前日の6/19、午後入院。3階の南向きの部屋だ。眺めがよい。
 いよいよ、手術当日。点眼は看護師の指示に従う。午後からは10種類の目薬を5分ごとに点眼。点滴も受ける。手術は15時半からだ。車いすで同じ3階の手術室へ。家内が送り出してくれる。手術室前で待っていると前の人が出てきた。すごい眼帯だ。しばらくして、手術室のドアーが開いた。車いすで中へ・・・。
 薄暗い部屋の中の手術椅子(歯医者の椅子に似ている)に移り頭を椅子に付けた。先生とスタッフ3人。名前の確認後、いよいよスタート。右眼の洗浄から始まった。瞼の中まで指が入ってきた。洗浄後アルコールの様なもので何回もふき取られた。瞼が開けられテープの様なもので固定されているようだ。褐色の液体がかなりの量右眼に落とされ手術が開始。しばらくして「顕微鏡が入ります」と。目に何かが近づいてくるのは分かるが何だか分からない。そして先生が「これから大切な処置をするので1分間は動かないように」と。・・・緊張!!!。 そして、真っ暗闇と明るい光の繰り返しの中で、時々人の顔が見える。「顎を引いて」「上を見て」「下を見て」「両目を開けて」「顕微鏡の視野から外れるので顎をもっと引いて」・・・と緊張の中、先生の声が聞こえる。 最後はレンズを入れて袋を閉じる作業。この時だけチクリと痛さを感じたが、全体を通して痛さは感じなかった。眼帯を固定して終了。
 車いすで病室へ。1時間ほど安静にするよう言われ、ひと眠り。1時間後担当の医師が来て手術は順調に行ったことを報告された。約20分かかったそうです。
 翌朝、診察室へ。看護師が眼帯をとってくれた。診察を待つ間、何度も何度も右眼と左眼の差を見る。手術した右眼は明るい。それに比べて左眼はくらい。こんなにも違うのか? 診察結果は順調と・・・。毎日の診断、一日4回の消毒点眼と術後3日間の飲み薬(抗生物質)で左眼手術へ・・・。
 左眼手術は6/27(月)。右眼の行程と同じことが繰り返される。 途中、金・土・日曜日と3泊4日の外泊許可をとって帰宅。
 この病院は約1年前増築したもので新しい建物。入った部屋は新館で南向き4人部屋。目の前には、時々ウォーキングで登っている国見山が見える。西には遠く京橋のツインタワーがかすかに見える。また東は、はるか向こうの小高い岡に関西外大の校舎が見える。その向こうに我が家の住宅街があるはずだ。こうして見ると我が家はずいぶんと高い位置にある。市街より涼しいはずだ。
 入院3〜4日頃一冊の歌集が送られてきた。高校時代の数学の先生からのものだ。4年前50年ぶりに集まったクラス会でのK・Tさんを通して送られてきたもので《坂の街》という本だ。これについては次回に書きたいと思う。